荻窪にある風味堂が移転のために閉店した。

オープン直後に初めて食べたときは鳥ガラ醤油のニュースタンダードに出会えたと物凄く喜んだ覚えがあるけれども、迷走しながら徐々に何の変哲もないダブルスープになってしまい、その割に客足は伸びず、そしてこの移転。「以前から探していた地域でいい物件を~」ってのが建前だけど、正直これは撤退以外の何物でもない。

店ごとの一番美味しいラーメンを味わえるのは開店直後だけ、その後は競争に勝つために常に変わり続けていく、といったことを篠崎が書いていたけれどもこれは本当にそのとおりで、たとえば西永福にある臨機という店は鯛でダシを取ったスープという非常に斬新なラーメン屋だったはずが気づいたら複数の節を使ったスープがどうのこうのと売り文句を変えており、そうなったあとに訪問したときのがっかり感は相当なもので、「羊頭狗肉もさるや、最早詐欺ではないか」と言いたい気持ちをぐっとこらえ失望をかくせないまま店を出た覚えがある。

美味しいラーメン屋を見つけたら美味しいうちに通うしかない、そして美味しくなくなったらさっさと見切りをつけるしかないのだと、そんなことを改めて思ったりした。

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